【レポート】EdTech JAPAN Pitch Festival 「オンライン学習をもっと手軽に」株式会社マイデスク代表 松野広志氏

2014年2月16日デジタルハリウッド大学大学院で開催された、「EdTech JAPAN Pitch Festival」のピッチレポート第2弾です。第2弾は、無料のオンライン学習システム「edulio(エデュリオ)」を提供する、株式会社マイデスクの松野広志氏のピッチをレポートします。

【Pitchレポート】株式会社マイデスク代表 松野広志氏

mydesk_matsuno株式会社マイデスクでは、無料で使えるクラウド型の学習システム「edulio(エデュリオ)」を提供している。今日は、①なぜサービスを始めたのか、②「edulio(エデュリオ)」とは何か、③オンライン学習の可能性との出会い、について話をさせて頂きたいと思う。

なぜ、オンライン学習システム『edulio(エデュリオ)』を始めたのか

OLYMPUS DIGITAL CAMERA改めてオンライン学習を考えた際に、メリットとしては、「時間と場所の制約がない」「自分のペースで学習出来る」「学習データの記録・分析が出来る」などがあげられる。一方でデメリットとしては、「モチベーションが上がらない」、「教材の作成が大変」といったことが指摘されている。しかし例えばSNSを使って学習の仲間を作るだとか、ライブ配信の仕組みを使ってリアルタイムの授業を行うだとか、ログ管理、ゲーミフィケーションを活用して学習の記録をとるといったことでモチベーションへの対策がどんどん行われている。また、教材作成に関してもカメラの低価格化や教材作成ソフトの充実など、デメリットは徐々に解消されてきている。

こうなってくると、オンライン学習のサービスを始めたい、自分の知識を提供したいと考える人がもっともっと増えていくだろうと考えている。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
しかし実際にシステムを導入しようとすると、初期費用に何百万円や、月額で数十万円とコストが大きくかかる状態で、簡単に始めることは出来ません。そのため、オンライン学習システムの普及状況を見てみると、大企業や大きな教育機関にはオンラインの学習システムが導入されているが、中規模以下の企業や教育機関、個人事業主にはほとんど導入が進んでいない。社外向けの教育サービス、学習塾や研修会社が提供するeラーニングのサービスでも、大企業は自社開発のシステムを導入しているが、中堅以下の企業ではシステムの導入が出来ていない状況といえる。

せっかくオンラインで学習するメリットが増加しているのにも関わらず、大企業や大きな教育機関などの限られた用途でしか利用がされていないと考えた。

もっと中小規模の事業や、個人にもオンライン学習システムを使ってもらえれば、もっと面白い学びが生まれるのではないか。そういう思いをきっかけとして「edulio(エデュリオ)」を提供しはじめた。

 

クラウド型オンライン学習システム「edulio(エデュリオ)」とは

OLYMPUS DIGITAL CAMERAedulio(エデュリオ)は、オンライン学習システムに必要な機能をかねそろえていて、簡単に無料で使える。動画の再生、テスト、受講生とのQ&A、組織・進捗の管理、LMS(ラーニングマネジメントシステム)に必要な機能は全て実装している。

しかも、ITに詳しくない個人の方にも利用してもらいやすい設計にしていて、もちろんマルチデバイスにも対応。使い方は簡単で、ロゴを設定して、教材やコースを設定、利用するユーザーを登録すればすぐにオンラインスクールを開校出来る。今日からあなたもオンラインスクールのオーナーになれるサービスを提供している。

動画、画像、音声、問題のデータを受講生に配信することも出来るし、それ以外にも外部システムとの連携も充実させている。SkypeやGoogleハングハウトとの連携、外部の掲示板や、SNS、オンラインミーティングの機能も組み合わせて、オンラインスクールとして利用可能なサービス。2012年の5月にスタートし、現在では、150社を超える企業に利用してもらえるようになっている。

edulio(エデュリオ)によって可能になった新たな学びと出会い

OLYMPUS DIGITAL CAMERA150社の導入企業のうち、これからのオンライン学習の可能性を感じた事例を紹介したい。一つ目は、IT企業の一部門がプロジェクトの為に活用した事例。企業単位ではなくプロジェクト単位で導入された。システム導入費用を下げるために、活用された。edulioが採用されたポイントは少人数で利用でき、機動的に使えるとこと。

2つ目の事例は、30代の若手塾長の反転学習塾。初年度は授業をコツコツと撮影、1年以上たった現在では、膨大なコンテンツを生徒に配信している。先生の数を増やすこと無く、塾の数を増やすことに成功している。このスクールは授業動画を全てYouTubeで公開しており、edulioを選んで頂いたのはYouTubeとの連携のしやすさだった。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA他にも個人の方が副業で運営する資格学習サイト、個人と言っても毎年1,000人くらいの受講者がいる規模のものも運営されている。答案練習の反復学習に優れていることがポイントでedulioの採用にいたった。QAの対応など、学習者のケアが評判を生み受講者を増やしている。

さらに、他にも大学のゼミ、大学の部活動(新入生の教育用)、ベンチャーキャピタルの起業家教育用のコース、日本初のミャンマー語学習サイトなどでも採用されている。ミャンマー語学習サイトは富山県で設立され、徐々に受講者数を伸ばしている。

edulioこういった事例のように、オンライン学習を手軽にしていくことで、これまでの大きな組織、大企業での使われ方とは異なるものが出てきている。使いやすさ、手軽さをもっと追求していくことで、もっとオンライン学習の可能性を広げていければと考えている。

佐藤氏からの質問

佐藤氏:ミャンマー語学校の運営は富山でやっていて非常に面白い事例。e-ラーニングの市場は、600-700億程度でほとんどがBtoB(企業向け)である。現在は横ばいかやや微減の市場。eラーニングの市場という観点で、ミャンマー語用のシステムスクラッチで開発するということはニッチすぎて難しい。それを、edulioは可能にしている。BtoC側のイノベーションを起こしている、まさにEdTechの事例だと考えている。

edulioでは、学習者の実績をずっと取られている。その辺で苦労していることはありますか?

松野氏:使われ方が多岐にわたっているため、重視すべき機能などの整理、それをどのように反映していくかというバランスが難しいというのがある。

 

テクノロジーが進化して、誰もがオンラインスクールを簡単にかつ低コストで持てるようになり、ニッチな学びを個人がどんどん提供出来る機会が増えていく可能性を感じるピッチでした。LMSを提供するサービスは注目が集まりづらいですが、今後も注目していきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。