【インタビュー】知育アプリで世界を狙う!スマートエデュケーション代表池谷氏・新ブランドGocco責任者太田垣氏に海外展開の戦略を聞く


「おやこでリズムえほん」、「おやこでスマほん」などの知育アプリを手がける株式会社スマートエデュケーションがリリースしたアプリの累計ダウンロード数が500万ダウンロードを突破しました。 2011年11月に第一作をサービスインしてから、ちょうど2年での達成となります。 また、海外進出を本格的に加速させるべく、世界展開を念頭においた知育アプリの新ブランド『Gocco(ごっこ)』を立ち上げ、第1作をリリースしました。

今後のスマートエデュケーションの戦略に関して、代表取締役の池谷 大吾氏、新ブランド『Gocco(ごっこ)』の責任者太田垣 慶氏にお話を伺いました。

 

知育アプリ累計ダウンロード数500万突破、新ブランドGoccoを携え本格的に世界を目指す!
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(写真左)代表取締役 池谷 大吾氏 (写真右)新ブランドGocco(ごっこ)責任者 太田垣 慶氏

 

Q:国内で累計ダウンロード500万を突破して国内市場では、非常に順調に見えます。今後の海外展開はどのようにお考えでしょうか?

池谷氏:起業当初から世界を狙いにいこうと考えていました。日本国内ではトップのシェアを握っていますが、教育のカテゴリでは、日本の市場は世界の中で約5-6%にすぎません。一方でUSは約35%の市場を持っています。Tocabocaというスウェーデンの会社がありますが、ここが世界ではシェアを持っていて、我々より約半年前にサービスを開始していますが、既に累計ダウンロードは5,000万を突破、月商も1.5〜2億前後であると聞いています。市場規模の差がそのまま成長の差に出ている訳です。国内をおろそかにする気はありませんが、世界への進出はマストだと考えています。

また、教育カテゴリは高等教育になればなるほど、国や文化によって細分化していき市場も細かくなり、かつ対応する難易度も上がっていくと考えていますが、知育アプリはそういった差異が小さく、ノンバーバルのため世界を狙える市場だと思っています。

 

Q:海外向けに新ブランドGocco(ごっこ)を立ち上げ、国内の「こどもモード」とで切り分けているのは理由がありますか?

池谷氏:今迄は、SMART EDUCATIONのブランド名で運営を行っていましたが、いわゆるマスのお客様には読みづらく、理解されないことが分かりました。分かりやすく認知をされるように、国内のブランドは「こどもモード」に統一しています。ベネッセさんも社名はベネッセですが、プロダクトはこどもちゃれんじや、チャレンジといった分かりやすいもので認知されています。我々もこどもモードでという分かりやすいブランドで勝負したいと考えています。

ただ、一方で海外は『こどもモード』では全く通じないので、別ブランドを立てる必要があると考えました。国内はこどもモードで着実に勝ち、世界を狙うブランドとしてはGocco(ごっこ)を考えています。

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Q:今年の夏頃から、課金形態を売り切り型から定期購読モデルに切り替えていますが、順調でしょうか?

池谷氏:詳しくはブログにも書いたのですが、非常に順調と言えます。月額性で使い放題になっていることがお客様の満足度に繋がっており、評判もよいです。これからの国内のプロダクトはすべて月額課金のモデルを継続していきます。

 

Q:海外でも定期購読のようなモデルを考えていますか?

太田垣氏:まずはユーザー・オーディエンスを増やすことが最優先で、Gocco(ごっこ)ブランドで立て続けにクオリティの高いものをリリースし、まずは世界の市場での認知を拡大することが重要だと思っています。その認識が出来たあとにGocco(ごっこ)ブランドで定期購入のようなモデルをやることはありえると思っていますが、当面は考えていません。

 

海外向け新ブランド『Gocco(ごっこ)』とは
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Q:新ブランドを「Gocco(ごっこ)」とした背景を教えて頂けますでしょうか?

太田垣氏:社内では元々、ごっこプロジェクトと呼んでいて、他に候補もいくつかあったのですが、音の響きなども考えて「Gocco(ごっこ)」にしました。たまたまスペインに同名の子ども服メーカーもあったことから、親和性もあるのだろうということで決定しました。

 

Q:「Gocco(ごっこ)」ブランドの1作目となる、『Gocco ZOO』について教えてください。

太田垣氏:Gocco ZOOは、動物園をテーマにしたお絵かきアプリです。知人が「最近のこどもは、象の絵を描いてと言われるとみんな灰色で書いて自由さがない。」と嘆いていたことに着想を得ました。何でもありなんだという自由な発想を子どもにしてもらうために、あえて様々なで色が塗れるアプリにしました。

 

Q:『Gocco ZOO』をリリースされましたが、今後もGoccoブランドのリリースは続ける予定でしょうか?

太田垣氏:最初の数ヶ月は立て続けにプロダクトをリリースし、そのあとは4半期に1本は良いものを出していきたいと考えています。ただ、心がけているのは束で勝負するのではなく、1本1本のクオリティで勝負してブランドを築いていきたいと考えています。

 

Q:世界の市場には先ほど言及されたTocaBocaのような強いプレイヤーもいます。世界では何を強みにしていこうと考えていますか?

太田垣氏:前職の経験でサンフランシスコにいたこともありますが、サンフランシスコにいるエンジニアと比較しても日本人のエンジニアのレベルは高い。USだと、何年か置きに職場を変えてというのが当たり前の環境ですが、腰を据えてこのマーケットで勝負しようと考えている我々にとってはロイヤリティが高く、腰を据えて取り組んでくれる日本人のエンジニアは強みになります。そういったエンジニアとクオリティの高いプロダクトをリリースし続けることがブランドに繋がり強みになると考えています。

 

Q:知育アプリにおける「クオリティ」とは何を指すのでしょうか?

太田垣氏:一言ではなかなか言い表せませんが、子どもの想像の邪魔をしないこと、もしくは期待以上のものであることだと思います。

池谷氏:社内でも色々な表現をされることがありますが、例えば『操縦感』のような呼び方をすることもあります。子どもは自由にしたいので、自分の考えと違う動きをしなくなるとすぐ使わなくなってしまいます。タップした時の反応やちょっとしたことが生命線であることがあります。見た目だけでなく、そういうちょっとしたことも含めた様々な側面が重要です。

太田垣氏:大人は文法にそって動くけれども、子どもは文法を持っていないので、それがなくても直感的に理解できないとダメ。子どもにトライして学んでもらいたいという部分とのバランスは難しいですが。

 

Q:モノ作りのプロセスにおいて重要にしていることは何でしょうか?

太田垣氏:実際の子どもに使ってもらうことです。実際に幼稚園や保育園で、アプリを使ってもらうときに目移りをしていたりだとか、集中していなかったりしている状態を見ていると、方向性がダメだということが分かったり、軌道修正が必要であることが分かります。直接聞くと「面白い」と答えてくれたりするのですが、実際の行動を見ていると面白いのか、面白くないのかはよくわかります。子どもは自分に正直に動いてくれるので、つまらないものはそのときに分かります。

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Q:ログのようなもので分析を行っているのでしょうか?

太田垣氏:例えば餌をあげたとかといった行動をフラグを立てるようにしていて、どういった行動をしているのかは分かるようにしています。

池谷氏:ここは世界で戦っていける強みだとも考えています。他の競合プレイヤーはここをおろそかにしているところが多い印象です。そのデータを定性に変換して理解して改善していけているプレイヤーは多くない。その分析がすべてではないが成功確度を大きくあげることは出来ると考えています。クオリティにこだわってプロダクトを作り、データ分析をしっかりやっていくことで世界でも勝てる可能性は十分あると感じています。

 

Q:日本と世界では好まれるイラストのテイストなどが違うと聞きます。そういった地域に合わせたローカライズ・作り分けのようなものは考えていますか?

太田垣氏:現在は考えていません。コストの側面もありますし、現在のデザイナーやエンジニアの作品は十分世界に通じるという思いもあります。またローカライズさせるときりがありません。世界といっても同じヨーロッパでもドイツとフランスでは受けるテイストがまったく違うと言われています。ですので、ひとうひとつその地域に合わせてという方針はしばらく取りません。

 

Q:今後の目標などはありますでしょうか?

太田垣氏:数値的な目標で言えば、社内的にはかなり大きな数字を目標に掲げていますが、月に50万インストールを突破するプロダクトをつくるというのがあります、その一つの作品で500万円/月くらいの売上をたてるというのを来年中には達成したいと考えています。おそらくTocabocaさんもそのくらいの水準と考えています。長期的に言えば、入り口のプラットフォームを押さえにいったりとか、ブランドを築ければリアル玩具にも進出したいです。これからの世の中では子どもたちは、与えられた条件下でいかに問題を解決するかといったクリエイティブな能力を身につけることが重要だと考えています。そのために何を提供するかというテーマは、自分自身の30代をかけるにもふさわしいものだと思っています。

池谷氏: 会社の社是は『世界中の子ども達の”いきる力”を育てたい』なので、今現在はスマートデバイスで提供するのがベストだと考えていますが、太田垣が話をしたようにリアル玩具のようなものも将来的にはあり得ると思います。直近は数字をもちろん達成することも重要ですが、将来の子どもたちが「Gocco(ごっこ)で遊んだよね」というような世の中にしたいですね。その上で子どもたちの生きる力に貢献出来れば嬉しいですね。

 

【 代表取締役 池谷 大吾氏 プロフィール】

明治大学大学院理工学研究科修士課程修了後、2000年 4月日本ヒューレットパッカード株式会社に入社。システムコンサルタントとして大手携帯キャリアの基幹システムの開発プロジェクトに従事。2004 年 8 月に株式会社シーエー・モバイルに入社し、公式課金サイト、SNS サイト、ソーシャルアプリといった数多くのモバイルメディアの企画開発を経験。同社執行役員、取締役を経て、2007 年 7 月には同社の SNS サイト、ソーシャルアプリ事業を手掛ける 100%子会社株式会社ixen の代表取締役に就任する。2011年6月にスマートエデュケーションを創業し、代表取締役に就任。

 

【新ブランドGocco 責任者 太田垣 慶氏 プロフィール】

京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、2006年(株)ディー・エヌ・エーに入社。各種コンテンツの立ち上げに従事。2009年からはプロジェクトのリーダーとしてソーシャルゲーム事業を立ち上げる。2011年より海外展開にシフトし、サンフランシスコを始めとした世界各地の拠点にてProducer / Game Design Advisorを務める。2013年5月にスマートエデュケーションに入社。

 

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    EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。