【インタビュー】小学生10万人にプログラミングを!CA Tech Kids代表上野朝大氏に聞く、小学生向けプログラミングスクールのこれから


ドットインストールのような動画でプログラミングを学習出来るサービスの登場や、中高生向けにキャンプでプログラミングを教えるLife is Techのようなサービスなど、社会人向けはもちろん、中学生や高校生、更には小学生まで世代を問わずプログラミング教育に対する熱が高まってきています。

今回は、サイバーエージェントグループで、小学生向けのプログラミング教育事業を展開する株式会社CA Tech Kids 代表取締役社長の上野朝大氏に小学生向けプログラミング事業と、今後の展望に関してお話を伺ってきました。

 

TechKidsCAMPで子どもたちのやる気に火がついたことが、スクール事業のきっかけ
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Q:元々は夏休みや長期休暇中に行う期間限定のコースTech Kids CAMPを提供されていましたが、スクール(Tech Kids School)として事業を行うようになったのはなぜでしょうか。

A:中長期的には元々スクール形式をやろうと考えていました。想定よりも早く始めることが出来たのは、継続的に習いたいという生徒と保護者の方々の声が想定よりも大きかったためです。

夏のTech Kids CAMPに来ていただいた方にとったアンケートでは、「またキャンプにきたいですか」という質問には「はい」が100%、「スクールに興味がありますか」という質問には、「はい」と「やや興味有り」で100%と、非常に大きな反響をいただきました。

CAMPで私たちがきっかけを与えたことによって、「プログラミングが楽しい」「もっとアプリを作りたい」という生徒のやる気に火がついていました。世の中には他にそういった気持ちに応えるサービスがないので、私たちがその期待に応えなければ無責任だろうという風に話が進んでいきました。

そこまでのニーズがあるということが分かれば、元々ビジネス的に考えてもキャンプ形式だけで運営するよりも、スクール形式で行ったが収益を上げやすいという側面もあったので、当初よりも早くスクール形式での展開を始めることになりました。

 

Q:サイバーエージェントグループの事業としては異質に見えます。グループ内ではどういった立ち位置なのでしょうか。

A:サイバーエージェントグループは事業ドメインを「インターネットという成長産業から軸足をずらさない」という考え方をしています。但し、ネット内で完結するビジネスしか展開してはならないのかというと、そういうわけではない。ネットが発達する中ではプログラミングの出来る人材の需要は今後も増加することが予測されますし、この事業もネット産業から外れたたものではないと考えています。ただ、リアルな店舗を持つ学習塾のような事業形態は、社内にノウハウのある事業ではないので、新たなチャレンジという認識はしています。

 

Q:CSRとしてではなく、単体で事業として成長させるということですね。

A:教育に携わる以上、非常に社会性の高い事業だという認識はありますが、事業会社として設立していますので、単体として収益化を目指しています。但しインターネットビジネスとは異なり、人件費も多くかかりますし、成長に時間のかかるビジネスであることも認識しています。サイバーエージェントらしくはないと思われるかもしれませんが、リアルビジネス、教育分野での新たなチャレンジとして捉えています。

 

まずはプログラミングを楽しいと思ってもらえる場に育てることが最重要。それが結果、スキル面の向上にも繋がる
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Q:実際にスクールを始められて、当初の想定と比べてどうですか。

A:こちらが想定していたよりも、出来る生徒様が多かったですね。CAMPに一度来てくれている生徒が多かったからかもしれませんが、自分たちで進めていける生徒様が多かったです。

 

Q:来ている小学生はどういった経緯でいらっしゃっているのでしょうか。

A:小学生なので、親御さんがインターネット等で見つけてまずは体験会に来てくださり、そこでアプリ開発・ゲーム開発の楽しさを知って入学してくださるくださるという経路がほとんどです。保護者の方はベンチャー企業の経営者やIT企業勤務という方も多いですが、自営業や税理士の方などもいらしゃって、様々です。教育に対して非常に熱心な方が多い印象です。

 

Q:スクールとして大切にしたいこと、重要だと考えていることは何かありますか?

A:一番守らなければならないのは、「子どもが楽しいこと」だと考えています。保護者の方のモチベーションは、スキルを身につけさせたいとか、論理的思考力を身につけさせたいといったものだったりしますが、そのためにもまずは「プログラミングを楽しんでもらうこと」を最重視しています。学習塾のように、子どもの意志に関わらずほとんど義務的に通わなければいけないようなスクールはともかく、習い事は楽しくなければ継続してもらえないですし、プログラムが動いた、アプリが完成したという楽しさ・達成感があってこその学習効果と考えています。自分たちがプログラミング嫌いを輩出してしまっては本末転倒なので、生徒に楽しんでもらえるための設計を最も重視しています。

そういった姿勢でのぞむことが、「プログラミングが楽しい」「もっと違うものをつくりたい」といった気持ちを芽生えさせて、結果、スキルや思考力に結びつくと考えています。

 

 目指すは2020年に受講者数10万人、日本をIT人材の輩出国にしたい
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Q:今後の事業の課題は何だと捉えていますでしょうか 

A:現在は非常にありがたいことにお問い合わせのみで満員になっている状況ですが、今後はどのように認知していただき拡大していくかが課題になってくると考えています。プログラミングを習い事として当たり前のように認知してもらうための努力が必要だと感じています。

 

Q:具体的に目指している事業の規模・姿のようなものはありますでしょうか?

A:2020年度までに、年間の累計受講者を10万人にするという目標を掲げており、そこに向けてどのように事業を進めていくかというロードマップを検討しています。地方での展開も勿論選択肢の一つで、まずは来春に大阪でスクールを開校する予定です。プログラミングを習いたい生徒がいる場所では、日本中のどこでも習いたいところで習えるという環境を整備したいと考えています。

インドがIT人材の輩出国として名高いですが、CA Tech Kidsの事業を通して「IT大国日本」というのを人材から実現したいと考えています。

 

follow us in feedly


3 件のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    ABOUTこの記事をかいた人

    EdTech(教育×テクノロジー)をテーマにした「EdTech Media」、教育業界に特化した求人サービス「Education Career」を運営する、株式会社ファンオブライフ代表取締役。 EdTechのムーブメントを、情報と人材の面から支援している。