ウェブで学ぶ オープンエデュケーションと知の革命「21世紀の壮大な教育イノベーション」

この本は、ウェブ進化論の著者でミューズアソシエイツ社長の梅田望夫氏と、マサチューセッツ工科大学教育イノベーション・テクノロジー局シニアストラテジストの飯吉透氏が、「ウェブ」という強力な道具を利用した新たな学びのムーブメントである「オープンエデュケーション」をそれぞれの視点で紹介し、二人の対談形式で進む。

ウェブ業界の最先端で生きる梅田氏と、MITという教育の最先端で生きる飯吉氏の考え方は刺激的で、教育の分野で新しいことがしたいと考えている人にとっては参考になることが多いだろう。飯吉氏の考え方が非常に共感する部分も多く、勉強になった。

オープンエデュケーションとは何かーー21世紀の壮大な教育イノベーション

現在のように、社会構造が複雑化・流動化し、技術や知識の陳腐化も激しい世界では、「学校や塾や職場の『壁の内側』で教えられること」だけが学びのすべてではなく、「学校を出たから、もう自分の学びは終わり」というわけにもいきません。そのような「個人が一生学び続ける時代」にふさわしい「一人ひとりの無限の可能性のための次世代教育環境」こそが、オープンエデュケーションなのです。

 

「学ぶこと」は、そのための「機会」と「必要な助け」さえ得られれば、あとは自分の志や情熱次第で、かなり思い通りになるはずです。オープンエデュケーションは、そんな「学ぶ機会」や「よく学ぶために必要な助け」を、世界中のすべての人たちのために最大限に増やしていこうという、「二十一世紀の壮大な教育イノベーション」なのです。

オープンエデュケーションを構成する3つの分野

この3つの分け方は非常にわかりやすく、様々な議論を進めるうえでも大いに参考になる。

「オープン・コンテンツ」

オープンコースウェアのような教材をオープンにすることを指す。MOOCsと言われるようなオープンコースウェアは、この構成分野に対する注目度が高いと言えるだろう。EdTechで話題になりやすいのは、この教育のコンテンツを低価格(多くの場合無料)で提供するという形で話題になりやすい。

「オープン・ナレッジ」

教育的知識に関するナレッジ。コンテンツがオープンになり、テクノロジーが進化しそれを伝える仕組みが整っても、それらを効果的に使いこなし、教えることの出来る実践的なノウハウが乏しければ意味がない。その実践的知識を理解しやすく表現し、他の人と共有可能にすること。

「オープン・テクノロジー」

教育的オープンソース・ソフトウェアというイメージ。ラーニングマネジメントシステム(LMS)と呼ばれるウェブを利用して授業を行う際に必要な教材を作成・配信したり、教員と学生たちの間のコミュニケーションや提出物のやり取り、成績評価などを相総合的に管理するシステムのことをさす。

「教材や教育ツールのオープン化」に加えて、さらに「教育的知識のオープン化」が進めば、互いの「学びと教えに関する成功経験や試行錯誤」をみんなで共有出来るようになり、先人の知恵・文殊の知恵によって、だれもがより効率的・効果的に学んだり教えたりする恩恵を受けられるようになるのです。

上記のオープンエデュケーション(ほぼEdTechと同義といっていいと思う)を3つの構成要素に分解して考えることで、頭の中が整理された今の日本にあるサービスのポジショニングや、空白を考える上でも非常に参考になる著書。EdTechに興味の有る人には是非読んでほしい。

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